1997年のNBAドラフト順位

NBAの歴史を紐解きます!
今回は、1997-1998のNBAドラフト順位を振り返っていきたいと思います。
後に「ラストシーズン」と呼ばれ、ラストショット共に神様『マイケル・ジョーダン』が引退した1997-1998のNBAに入団してきたのがなんといってもティム・ダンカンですね。サンアントニオ・スパーズが1順目1位指名した「ティム・ダンカン」。この時のサンアントニオ・スパーズは、ドラフト前年のシーズンにエースのデヴィット・ロビンソンが大怪我を負ってしまった為、あえて負け越し1巡目1位の指名権を獲得しにいったとも言われています。この行為には賛否両論ありますが、結果としてスパーズは1巡目1位でティム・ダンカンを獲得することができたわけです。そして、たった1シーズンを棒に振ってティム・ダンカンを獲得したことにより、この先10年以上、スパーズ黄金期を作ることができました。
そして、この年にドラフトされた選手は、何の因果か意外にもスパーズと関わりを持つ選手が結構いるんです。それでは色々な角度から1997-1998のNBAドラフト順位を振り返ってみましょう!

【1997-1998 NBAドラフト順位】

1位 ティム・ダンカン
(サンアントニオ・スパーズ)

2位 キース・ヴァンホーン
(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
※ニュジャージーにトレードされます

3位 チャンシー・ビラップス
(ボストン・セルティックス)

4位 アントニオ・ダニエルズ
(バンクーバー・グリズリーズ)

5位 トニー・バティー
(デンバー・ナゲッツ)

6位 ロン・マーサー
(ボストン・セルティックス)

7位 ティム・トーマス
(ニュージャージー・ネッツ)
※フィラデルフィアにトレードされます

8位 アドナイル・フォイル
(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)

9位 トレイシー・マグレディ
(トロント・ラプターズ)

10位 ダニー・フォートソン
(ミルウォーキー・バックス)

11位 オリバー・セント・ジーン
(サクラメント・キングス)

12位 オースティン・クロージェア
(インディアナ・ペイサーズ)

13位 デレック・アンダーソン
(クリーブランド・キャバリアーズ)

14位 モーリス・テイラー
(ロサンゼルス・クリッパーズ)

15位 ケルビン・ケイト
(ダラス・マーベリックス)

16位 ブレビン・ナイト
(クリーブランド・キャバリアーズ)

17位 ジョニー・テイラー
(オーランド・マジック)

18位 クリス・アンスティ
(ダラス・マーベリックス)

19位 スコット・ポラード
(デトロイト・ピストンズ)

20位 ポール・グラント
(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

21位 アンソニー・パーカー
(ニュージャージ・ネッツ)

22位 エド・グレイ
(アトランタ・ホークス)

23位 ボビー・ジャクソン
(シアトル・スーパーソニックス)

24位 ロドリック・ローズ
(ヒューストン・ロケッツ)

25位 ジョン・トーマス
(ニューヨーク・ニックス)

26位 チャールズ・スミス
(マイアミ・ヒート)

27位 ジャック・ヴォーン
(ユタ・ジャズ)

28位 キース・ブース
(シカゴ・ブルズ)

【玄人好みの一流プレイヤーが勢揃い】

アレン・アイバーソンやコービー・ブライアントなどが登場した前年の1996-1997のドラフトに比べると、かなり地味な印象があります。まぁ~前年の先輩と比べられるのはしょうがいんですけどね。ただ、個人的にはティム・ダンカンとかチャンシー・ビラップスみたいに、派手さはなく地味だけど「めちゃくちゃ上手い」玄人好みのプレイヤーも多い年です。ちなみに、2巡目43位にはサンアントニオ・スパーズでも活躍し、NBAの歴史上、いやスポーツ史上最大の乱闘と呼ばれる『インディアナポリスの騒動』にもいたスティーブン・ジャクソンもいます。
そして、当時多かった「高校卒業後のNBAプレイヤー」がこの年にもいますね。1巡目9位でトロント・ラプターズから指名されたトレイシー・マグレディです。後に従妹のヴィンス・カーターとコンビを組み大活躍をします。ジャンプ力やクイックネス、そして爆発的な得点力。高校卒業後にNBAに入ったので、入団当初はあまり活躍できていませんでしたが、その後めきめきと頭角を現し、2001年にはMIPを受賞。そして2003年と2004年の2年間連続で得点王にも輝きました。
ただ、ここでもサンアントニオ・スパーズが関わってくるのですが、2013年4月にスティーブン・ジャクソンを解雇しロスターの空きを作ったスパーズはプレイオフ直前にトレイシー・マグレディと契約を結びました。これも何の因果か、同じ1997-1998ドラフトの2人がここでも交わる結果となりました。

【チャンピオンリングを獲得したプレイヤー】

実は超真面目にしっかりと調べられませんでした。2巡目やドラフト外の選手まできっちりと調べられなかったのですが、この年にドラフトされた選手の中で「チャンピオンリング」を獲得したプレイヤーをまとめてみました。

ティム・ダンカン (スパーズ 1999 2003 2005 2007 2014)
チャンシー・ビラップス (ピストンズ 2004)
アントニオ・ダニエルズ (スパーズ 1999)
デレック・アンダーソン (ヒート 2006)
ジャック・ヴォーン (スパーズ 2007)
スティーブン・ジャクソン (スパーズ 2003)

ダンカンがスパーズで5回優勝しているのですが、なんとサンアントニオ・スパーズに在籍し優勝したプレイヤーがこの年にドラフトされた選手の中で実に4人もいることです。それだけスパーズ黄金期の期間が長く、優勝を5回もしているスパーズの強さ、ポポビッチHCの手腕の凄さが本当によくわかりますね。

【サンアントニオ・スパーズの黄金期】

このシーズンからサンアントニ・スパーズの黄金期が始まります。ダンカン入団当初に結成されたのが、デヴィット・ロビンソンと組んだツインタワー。その後入団してきた、フランス人のトニー・パーカーとアルゼンチ人のマヌ・ジノビリと結成したビッグ3、カワイ・レナードやラマーカス・オルドリッジなど様々な最強チームを作り上げていくのですが、いついかなる時でもダンカンが中心にいましたね。
1997年のNBAドラフトの記事ってこともありますが、中でもお気に入りだったのは2000-2001シーズンのスパーズですね。ティム・ダンカンとアントニオ・ダニエルズ、デレック・アンダーソンの1997年ドラフト組みが3人揃った時ですね。ダンカンがリバウンドを取り、ダニエルズとアンダーソンが走る速攻は本当に速かった。それまでのスパーズは、ハーフコートオフェンスでじっくりと攻めるスタイルでしたが、ダニエルズとアンダーソンがコートに出てくると、一気にスピードがアップし躍動感のある試合展開は本当に面白かったです。ただ、この3人は1シーズンのみで解体。翌年にデレック・アンダーソンはポートランド・トレイルブレイザーズに移籍してしまいます。ただ、ここでも1997年にドラフトされたスティーブン・ジャクソンが入団。そして2003シーズンにスパーズが優勝をし、ダンカンは2個目のチャンピオンリングを獲得します。
こう見ると、スパーズは本当に1997年にドラフトされた選手とつくづく縁を感じるチームですね。

【クリーブランド・キャバリアーズの若手集団】

個人的にはかなり印象的で、チームとして好きになったのが「クリーブランド・キャバリアーズ」でしたね。96年に入団した「ジードルナス・イルガスカス」を筆頭に、この97年ドラフト組みで13位の「デレック・アンダーソン」16位の「ブレビン・ナイト」そして2順目45位指名の「セドリック・ヘンダーソン」のと、4人の若手でコートで暴れる姿がかっこよかったですね。ちなみにこの時は、当時シアトル・スーパーソニックスで活躍した「ショーン・ケンプ」もこのシーズンに移籍してきました。そして、当時クリーブランドで開催されたオールスターゲームにも出場したPGのテレル・ブランドンもよかったですね。このテレル・ブランドンは本当に紳士的なプレイヤーだったらしく、コート内外での評価は相当良かったそうです。スポーツマンシップ賞も受賞し、ブランドン自身が開催したバスケットボールキャンプには、まだ子供だったレブロン・ジャイムズも参加していたそうです。

【まとめ】

バスケットボールの神様と呼ばれ、NBAのシンボル的なプレイヤーでもあったマイケル・ジョーダンが引退した1997年。この年の1997年NBAドラフトで入団したのが、ティム・ダンカン。スパーズ一筋で2016年までプレーし、1997年からのスパーズ黄金期を築き上げたNBAを代表するプレイヤーとなりました。
この年のドラフトで入団した選手は、何の因果か本当にスパーズとよく関わていましたね。
冒頭でも話したように、ダンカンを筆頭に少し地味な印象はありますが、個人的にはこの年のドラフトは今見返すと、本当に好きなプレイヤーが多く、この年のドラフト選手のプレイを見れたのは本当に良かったです。

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