NBAの歴史を紐解く過去のドラフトランキング!!
今回は1998-1999年のNBAドラフト順位を振り返っていきたいと思います。
実はこの年は「NBAロックアウト」が行われた年でもあります。この年のロックアウトは84試合のシーズンゲームを行わず、50試合の短縮シーズンとなりました。
ちなみに「ロックアウト」とは、簡単に説明するとオーナー側と選手側でのサラリーキャップ制度(給与体系)に折り合いがつかないことになります。ストライキに近い感じですね。前年に3連覇を達成したマイケル・ジョーダンの引退が引き金になったのか、人件費を削りたいオーナー側と選手協会がかなりもめた感じでしたね。
さて本題の1998年NBAドラフト。1順目1位で指名されたナイジェリア出身のマイケル・オロウォカンディは大失敗でしたね。入団前はティム・ダンカン2世なんて世間では言われてましたけど、正直全くパッとしませんでしたね。選手生命も短く約8年間NBAでプレーをし、2006-2007シーズンを最後に引退してしまいました。
ただ、この年のNBAドラフトで指名された選手の中にはNBAを非常に面白くさせてくれた選手がたくさんいました。それでは色々な角度から1997-1998のNBAドラフト順位を振り返ってみましょう!
【1998 NBAドラフト順位】
- 1位 マイケル・オロウォカンディ
(ロサンゼルス・クリッパーズ) - 2位 マイク・ビビー
(バンクーバー・グリズリーズ) - 3位 レイフ・ラフレンツ
(デンバー・ナゲッツ) - 4位 アントワン・ジェイミソン
(トロント・ラプターズ⇒ゴールデンステイトにトレード) - 5位 ヴィンス・カーター
(ゴールデンステイト・ウォリアーズ⇒ラプターズにトレード) - 6位 ロバート・トレイラー
(ダラス・マーベリックス⇒バックスにトレード) - 7位 ジェイソン・ウィリアムス
(サクラメント・キングス) - 8位 ラリー・ヒューズ
(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ) - 9位 ダーク・ノビツキー
(ミルウォーキー・バックス⇒ダラスにトレード) - 10位 ポール・ピーアス
(ボストン・セルティックス) - 11位 ボンジ・ウェルズ
(デトロイト・ピストンズ) - 12位 マイケル・ドレアック
(オーランド・マジック) - 13位 キオン・クラーク
(オーランド・マジック) - 14位 マイケル・ディッカーソン
(ヒューストン・ロケッツ) - 15位 マット・ハープリング
(オーランド・マジック) - 16位 ブライス・ドリュー
(ヒューストン・ロケッツ) - 17位 ラドスラフ・ネステロヴィッチ
(ミネソタ・ティンバーウルブス) - 18位 ミルサド・トゥルクジャン
(ヒューストン・ロケッツ) - 19位 パット・ギャリティ
(ミルウォーキー・バックス) - 20位 ロショーン・マクラウド
(アトランタ・ホークス) - 21位 リッキー・ディビス
(シャーロット・ホーネッツ) - 22位 ブライアン・スキナー
(ロサンゼルス・クリッパーズ) - 23位 ティロン・ルー
(デンバー・ナゲッツ⇒レイカーズにトレード) - 24位 フェリペ・ロペス
(サンアントニオ・スパーズ⇒バンクーバーにトレード) - 25位 アル・ハリントン
(インディアナ・ペイサーズ) - 26位 サム・ジェイコブソン
(ロサンゼルス・レイカーズ) - 27位 ウラジミール・ステパニア
(シアトル・スーパーソニックス) - 28位 コーリー・ベンジャミン
(シカゴ・ブルズ) - 29位 ナジー・モハメド
(ユタ・ジャズ⇒シクサーズにトレード)
【NBA1998年組みのトレード話し】
この年のドラフトも振り返ってみると非常に興味深い出来事がたくさんありますね。
まずはドラフト当時に行われたトレードですね。
4位指名のアントワン・ジェイミソンと5位指名のヴィンス・カーターがドラフト直後にトレードされました。この2人はマイケル・ジョーダンがいた、名門ノースカロライナ大学でチームメイトとしてプレーしていました。その2人が4位と5位で指名され、さらにはトレードされるとは…何か不思議な因縁を感じますね。
ちなみに、ヴィンス・カーターの移籍先であるトロント・ラプターズにはいとこのトレイシー マグレディが在籍していて、フロントにヴィンス・カーターの獲得を志願したなんて噂もありました。
そして、2位指名のマイク・ビビーと7位指名のジェイソン・ウィリアムス。
ルーキー当初は、華やかなパス技で魅了したジェイソン・ウィアムスが目立ちましたが、2001年にキングスとグリズリーズ間でこの2人はトレードされました。当時シャック&コービーを擁するレイカーズが圧倒的な強さを誇り、対抗するサクラメント・キングスはマイク・ビビーを入れてゲームの支配力と安定感が欲しかったんでしょうね。
驚愕するパス技で周囲を魅了したジェイソン・ウィリアムスですが、キングス在籍時はターンノーバーが多く、勝負どころの第4Qなどは、ベテランのボビー・ジャクソンがコートに立つ方が多いくらいでしたからね。
対するマイク・ビビーは派手さはありませんが、現実名プレースタイルで「シュート力のあるジェイソン・キッド」なんて呼ばれることもありました。
そして、8位指名のラリー・ヒューズ。当時アレン・アイバーソンがいたフィラデルフィア・セブンティシクサーズに入団。個人的には非常に好きな選手の1人でした。シクサーズで活躍して、アイバーソンとのコンビプレーを期待したのですが・・・シクサーズ時代はあまり上手く機能できませんでしたね。
ただ、チームメイトとなったアレン・アイバーソンとは非常に良い交友関係が築けたのか、アイバーソンの引退セレモニーでアイバーソン自信が「俺の大切なラリー・ヒューズにも感謝したい」と言われています。
ちなみに、2002年にゴールデンステート・ウォリアーズにトレード。4位指名のアントワン・ジェイミソンとチームメイトになりますが、ここでもあまり活躍できずワシントン・ウィザースに移籍。そしてこの移籍先にも4位指名のアントワン・ジェイミソンとチームメイトになります。なにか非常に運命を感じますね。
そして、このワシントン・ウィザーズでギルバート・アリナス、ラリー・ヒューズ、アントワン・ジェイミソンのトリオで大活躍してくれました。この3人のプレースタイルは観戦していて本当に興奮したことを覚えています。
最後のネタは23位指名でロサンゼルス・レイカーズに入団したティロン・ルーですね。
ここではプレーすたいるというよりも、コーチについてのお話を少ししたいと思います。
23位指名のティロン・ルーは、レブロン・ジェイムズが在籍していたクリーブランド・キャバリアーズでヘッドコーチを務めています。(2018年7月28日時点)
そして、2018年のオフシーズンにレブロン・ジェイムズはロサンゼルス・レイカーズに移籍。このレイカーズで指揮をとるのがはルーク・ウォルトンHCです。
ちなみに、レブロン・ジェイムズと監督のルーク・ウォルトンは同じ2003年のドラフト組みです。これもこれで、なんかすごいです。
そして、ティロン・ルーとルーク・ウォルトンはシャック&コービーがいた当時最強のレイカーズでチームメイトとしてプレーしていました。
この時のヘッドコーチがフィル・ジャクソン氏です。この人はジョーダン&ピッペンがいたNBA史上最強と言っても過言ではない、シカゴ・ブルズでの監督でもあります。
このシカゴ・ブルズには、現在ゴールデンステイト・ウォリアーズで指揮をとるスティーブ・カーHCも在籍していました。ちなみに、現レイカーズのルーク・ウォルトンHCは、スティーブ・カーHCの下でアシスタントコーチもしています。
こう振り返ってみると、フィル・ジャクソン氏の下でプレーをした選手は名監督になっている確立が高く感じます。ドラフトから話しが少し脱線してしまいましたが、個人的に興味深いことでしたので、少し紹介をさせて頂きました。
【1998年NBAルーキー・オブ・ザ・イヤー】
この年のルーキー・オブ・ザ・イヤーは1順目5位指名のヴィンス・カーター。
最終候補はヴィンス・カーターとポール・ピアース、ジェイソン・ウィリアムスの3人に絞られたそうですが、圧倒的な投票数でヴィンス・カーターが新人王を獲得しました。
正直、これには納得ですね。
なによりもヴィンス・カーターのダンクは破壊的すぎる。
初めてカーターのダンクを見てすっごい衝撃を受けたのを今でも覚えています。
そして、2000年に開催されたスラムダンクコンテストの出場。
このスラムダンクコンテストを当サイトの管理人である兄弟2人で観戦していたのだが、スラムダンクコンテンストであれほど発狂したのは、ヴィンス・カーターのダンクだけかもしれない。それほどまでに、カーターのダンクは本当に衝撃的でした。
【衝撃を与えてくれたホワイト・チョコレート】
ヴィンス・カーターのダンクとは対照的に、「パス」という技で魅了してくれのが、ホワイト・チョコレートこと、7位指名のジェイソン・ウィリアムス。
この選手が放つ「パス技」には唖然としました。
正直、リプレー画像じゃないとボールがどこから出てきて、どこに行くのか追いつけないんです。当時サクラメント・キングスに在籍していたブラデ・ディバッツも、彼のパスはキャッチできない時もあると言っていました。
ただ、超絶なパス技と同時にミスも多く色々なメディアでも批判されることもしばしば。そしてこの超絶なパス技はキングス在籍時のみとなります。移籍先のグリズリーズでは、ミスの少ない堅実なプレーをしていました。その結果、当時NBAで1番ミスの少ないPGとなったのは非常に有名な話しです。これだけのハンドリング技術があれば、なにをやらしても上手くできちゃうんでしょうね。
【2巡目やドラフト外入団の選手】
毎年のことでもないが結構な確率で2巡目指名やドラフト外の入団選手から、ッアと驚く選手が誕生する。いくら優秀なスカウティングでも、こればっかりは「絶対」という確約がないのかもしれない。
この年のドラフト外で入団した選手の中に「ブラッド・ミラー」がいます。
サクラメント・キングスやシカゴ・ブルズで活躍した7フィート(213cm)の大型センターだ。ドラフト外の入団ではあるが、オールスターゲームに2度出場するほど大活躍した選手である。
ちなみに、1998年ドラフト組みの「マイク・ビビー」と「ジェイソン・ウィリアムズ」とはサクラメント・キングスで共にプレーしていました。サクラメント・キングスにいたときは当時の先発メンバーである「ブラッディ・ディバッツ」や「クリス・ウェバー」の控えでしたが、怪我がちなクリス・ウェバーに代わってよく試合に出ていたのを覚えています。
そして、2巡目全体32位でドラフトされた「ラシャード・ルイス」は本当に凄いプレイヤーでした。
ラシャード・ルイスはコービーやガーネットと同じ、高卒選手の1人です。
当時1巡目の指名権を3つほど保有していた、ヒューストン・ロケッツに指名されるそうでしたが、結果はシアトル・スーパーソニックスからの下位指名となってしまいました。
そこから9シーズンもシアトルでプレーし、2005年にはNBAオールスターの出場も果たします。そして、ルイスは2007年にオーランド・マジックへトレード。契約内容は6年で1億1850万ドル!!まさにアメリカンドリームってやつです。2009年には2度目のオールスターに出場し、2013年にはレブロン・ジェイムズやドウェイン・ウェイドと一緒に、マイアミ・ヒートでチャンピオンリングも獲得。
スタートは下位指名でしたが、長身から放たれる3Pシュートを武器にNBAの中で大活躍したラシャード・ルイス。本当に尊敬しますね。
【チャンピオンリングを獲得した選手】
ナジー・モハメド 2005年(スパーズ)
ジェイソン・ウィリアムズ 2006年(ヒート)
ポール・ピアース 2008年(ボストン)
ダーク・ノヴィツキー 2011年(マーベリックス)
ラシャード・ルイス 2013年(ヒート)